WORLD1:体裁

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「皆、ビッグニュース!」 クラスメートの一人がドアを勢いよく開いて、そう叫んだ。 男子や他の女子の動きがピタリと止まる。 私も少しだけ顔を上げた。 「あのな、清水が……自殺したらしいで!」 そう言うと、皆は目を丸くする。 そして、ずかずかと私の前にやってきた。 まるで楽しそうに。 私は道化師みたいには笑えない 貴方みたいには笑えない。 もう感情なんて忘れた。 自嘲だけしか知らない。 「やっぱ、ほんまやってんな、あの噂」 そう言って、そのクラスメートはニカッと笑った。 あなたに何が分かるの? 何も悩みないあなたが何でそんなこと言えるの? 「えっ……?」 「えっ?やないやろ。知ってたんやろ?清水がそういう行為を繰り返してたの」 「……」 残念ながら私は言う言葉が見当たらない。 クラスの皆は私に注目する。 もうどうでもよかった、こんな人生なんて。 もう要らない、私には。 「どっちなの、広口さん。知ってたん?知らなかったん?」 「し、知らんかったわ!」 「そう。クラス皆知ってたんに。遅れてるわ、あんた」 そう言うと、そのクラスメートは私の前から過ぎ去った。 何も残らなかった私に存在価値など見出だせない。 もう投げ捨ててしまおう。 自分の身も心も全て。 何が悪いのか分かんなくなったんだから。 きっと私が全部悪いんだから、反省の意味も込めて。 狡いやり方かも知れないけれど、もう止めよう。 ──生きることを……。    
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