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「皆、ビッグニュース!」
クラスメートの一人がドアを勢いよく開いて、そう叫んだ。
男子や他の女子の動きがピタリと止まる。
私も少しだけ顔を上げた。
「あのな、清水が……自殺したらしいで!」
そう言うと、皆は目を丸くする。
そして、ずかずかと私の前にやってきた。
まるで楽しそうに。
私は道化師みたいには笑えない
貴方みたいには笑えない。
もう感情なんて忘れた。
自嘲だけしか知らない。
「やっぱ、ほんまやってんな、あの噂」
そう言って、そのクラスメートはニカッと笑った。
あなたに何が分かるの?
何も悩みないあなたが何でそんなこと言えるの?
「えっ……?」
「えっ?やないやろ。知ってたんやろ?清水がそういう行為を繰り返してたの」
「……」
残念ながら私は言う言葉が見当たらない。
クラスの皆は私に注目する。
もうどうでもよかった、こんな人生なんて。
もう要らない、私には。
「どっちなの、広口さん。知ってたん?知らなかったん?」
「し、知らんかったわ!」
「そう。クラス皆知ってたんに。遅れてるわ、あんた」
そう言うと、そのクラスメートは私の前から過ぎ去った。
何も残らなかった私に存在価値など見出だせない。
もう投げ捨ててしまおう。
自分の身も心も全て。
何が悪いのか分かんなくなったんだから。
きっと私が全部悪いんだから、反省の意味も込めて。
狡いやり方かも知れないけれど、もう止めよう。
──生きることを……。
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