ルイ

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もうあっという間にルイは完食してくれた。 玉葱苦手らしいけど、旨いって言って全部食べてくれた。 こうやって、誰かにご飯作ってちゃんと食事したのって、いつだっただろう。 こんなに心が満たされるものだったんだ。 きっとあたしは、こういう些細な事も忘れていたんだ。 ルイに感謝しなくちゃいけない。 「お前って、見かけに寄らず料理うまいんだな?すげー旨かったよ。ありがとな。」 なんだか心に染みる言葉だった。 これが、あたしがルイに初めてご飯を作ってあげた料理。 今でも忘れてない。 忘れられない。 ルイがいるはずのない時間に店に現れたのも、何でか今でも理由は知らない。 でもきっと。。。 きっと神様が巡り会わせてくれたんだよね…? だって確かにあたしは救われたんだから。
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