夏vacation。

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「君は誰?」 俺が死体だと思ってた女は、叫ぶや否や、俺を真っ直ぐに見据えそう質問してきた。 「誰って、お前こそ誰だよ?」 すると、女はムッとした顔になって言い返してきた。 「質問に質問で返さない!だいたい、人が気持ちよく寝てたのに、いきなり髪の毛を引っ張って起こしてきたんじゃない!そっちから名乗りなさいよ!!」 あれ寝てたのか…てっきり死んでんのかと思った。 つーかこんなくそ暑い所で寝るなんて、コイツ死にたいのか?しかもセーラー服って…部活か何かか? とにかくコイツは怪しすぎる。あまり関わらない方がいいな。 「あー、まあ、さっきは悪かったよ。そんじゃ俺は用があるんでな、帰るわ。あと、一応忠告しといてやるが、そんなとこで寝てっと干からびて死ぬぞ。じゃあな。」 さて、暑さでやられない程度に自由気ままな散歩の再開…のハズなのに…。 「オイ、なぜ俺の服を掴む?」 この女、俺の服の裾をしっかり掴んでいやがる。バカ、離せコノヤロー! 「痛い…」 「え?」 なんだ?今何か言ったか? 「頭痛い…助けて」 はあ? なんだコイツ?何言ってやがる? 頭痛いから助けろ?バカ言ってんじゃないよ。俺にそんな義理は無い上、むしろ今は俺のが助けて欲しいぐらいだ。ほんと散歩なんか来るんじゃなかった…。 「痛いよ~、死んじゃうよ~。」 俺の心境を知ってか知らずか、しっかりと俺の服を掴んだまま、もう片方の手で頭を抑え、涙ぐんだ目で俺を見てきやがる。 「し、知らん!そんな所で寝てるお前が悪い!早く家にでも帰れ!」 「ひどい~、助けてよ健太郎~」 「自業自得だろ!俺は忙しいん…だ…って、お前何で俺の名前知ってんだ!?」 おいおい、おかしいだろ?俺はコイツに名乗った覚えなんてねーぞ!なのに、どうして…? 「さぁね~、助けてくれたら教えてあげるよ。」 チッ、やっぱそうきたか。 「しゃーねぇ、行くぞ。」 ったく、あーめんどくせー!
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