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皐夜家が戦に破れ,数日が過ぎていた。 「すまんな,皆。我の不注意だ,敗因は―――」 皐夜家現代当主,一志は頭を下げ,家臣一同に詫びた。 「大殿,頭を上げて下され!」 家臣は,頭を下げる主を必死になって止める様に告げる。 「しかし――これは如何な物なのか……」 一志や一明,猛火や家臣一同は,苦々しげに一つの書状を見た。 「姫様が御無事で,初は嬉しゅうございます…」 お初は,嬉しそうに楓の髪を櫛で鋤いた。 「なぁ初……水瀬家の次期当主って,いくつと伺っている?」 楓の問にお初は首を傾げ,「水瀬家…」と呟くと,楓に応えた。 「十八,とお父上から伺っておりますよ」 「私より,七つ上か」 あの剣技は,並大抵な物では無かった。 楓は溜め息を吐いた。
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