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゙姫様は笑わなくなっだ この頃,お初は毎日の様に後悔していた。 楓の母は,三男を産んで,すぐに流行り病に倒れた。 実質,お初は楓の母代わりだった。 ゙初,私は皐夜のために生きる゙ 幼い楓がそう告げた時,お初は泣いてしまった。 泣きたいのは,楓のはずなのに 楓は,皐夜家三男という立場から,泣く事が出来無かった。 ゙初…泣くな。大丈夫だ゙ 楓より五つ上のお初は,泣き崩れてしまった。 ゙申し訳有りませぬ…゙ 何故,こんなに心の良い子が,一人の人間として生きられぬのか―――? お初は,考えても解らなかった。 「初――?如何した?」 「姫様………」 お初は,また楓の前で泣いてしまっていた。
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