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「先手はお前にやろう。さぁ,俺にその力を見せてみろ」 ――なめられている。 楓の,高いプライドが,忠行に対する敵対意識を強めた。 「先手必勝という言葉を知らんらしいな。まぁ良い…ゆくぞッ」 一瞬にして,楓が忠行の懐に入り込んだ。 さすがの忠行も,この速さには驚きを隠せない。 「皐夜家の敵は――斬る」 ――ガキィンッ 忠行の刃の厚い刀と,楓の刃が長い刃がぶつかり合う。 「良い筋をしているな。子供だと油断は出来ん」 「だが……」と言って,忠行は楓の刀を,撥ね飛ばした。 「まだ太刀筋が甘いぞ」 「ッ……………!!!」 初めて,刀を飛ばされた。 楓は,初めてこの,忠行の恐ろしさに気が付いた。
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