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重秀は父である半兵衞重治の意志を継ぐために秀吉に仕官を申し出にきた。
「許す。」
秀吉は一言で重秀の仕官を許した。
本当は信長からの許可を求めるのだが秀吉はそれを省いて重秀の仕官を許したのだった。
「竹中どの、竹中どの!」
しばらくすると秀吉と重秀の居る陣中に1人の男が入ってきた。
重秀は見た事もない顔である。
しかし相手はしきりに『竹中』と呼ぶのだ。
「これ官兵衞…。
こいつは半兵衞じゃないぞ。」
官兵衞…そう黒田官兵衞孝高である。
孝高は播摩遠征の途中、有岡城で荒木村重により捕まっていた時に重治に嫡子を助けられた経歴があった。
だから『竹中』と聞き居ても立っても居られずに本陣に飛び込んできた。
「これは失礼…。
竹中どのと聞きまして…。」
官兵衞は恥ずかしそうに笑った。
いつもは冷静沈着の官兵衞が取り乱したのだ。
秀吉は愉快そうに笑った。
その後、竹中…と聞いて前野将右衛門を筆頭に重治、縁のある羽柴古参の武将が集まった。
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