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「ぐ、ぐはっ」
忠勝の手から槍が落ちた。
「お、己……。」
正則は力無くして倒れ込んだ忠勝に対して、腰に差していた脇差しを抜き首目掛けて突き刺した。
忠勝の叫びが一瞬、戦場に響いた。
「敵将、本多忠勝っ!この福島正則が討ち取った!」
忠勝の叫びが消えれば、正則の勝利の雄叫びが聞こえた。
家康の切り札と言える本多忠勝は生涯に終わりを告げた。
忠勝の血を払った正則は新たな敵を求め戦場に消えた。
徳川勢は家康の撤退に続き本多忠勝の死により総崩れとなった。
半時も経たずして徳川勢の屍は関ヶ原に晒された。
井伊直政は抵抗を諦め自刃、松平忠吉は初陣にしては奮戦したものの、数で勝る西軍に押し包まれ討ち取られた。
「勝鬨を上げよ。」
大将格の前田利長、毛利輝元が言った。
その後、関ヶ原にて西軍の勝鬨が上がった。
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