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天井が、空のように高く見えた。
身体中を駆け巡った苦い空気は、次第に体外へ溶けていった。いや、その苦い空気以外は何も無かったのだと思う。ああ今は、そう、何も無い。
こんなにも空っぽになってしまったような気がするのに、どうしてだろう。ソファに寝転んだが最後、身体が鉛になったみたく起き上がれない。
「人ってさー、見返り求める生き物だよねえ」
しんと静かな部屋で、そう嘆いた。嘆かずには いられなかった。そしてそれ以上に、上辺だけのものでいい、慰みの言葉が欲しかった。
放った声は、思ったよりも幼かった。甘えている自分をほんのり嫌悪する。
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