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てゆーか、まずこんな状況じゃ動こうにも動けない。
広いスライム部屋のド真ん中の円型の小さめな絨毯の上にいるんだから。辺りを見回してもドアなんて無いし……ハァ。
…ドラ〇エとかのスライムと同じで、このスライムも生きてんのかな?不意に疑問に思い、絨毯から身を乗り出してスライムを覗き込む。
プルプルしてんなぁ。
これが巨大ゼリーだったらいいのに。
ぼんやりとそんなことを考えながらスライムを眺めていると、視界の端に扉のようなものが写った。
「あっ!…あれドア!?」
そう、床に接するように扉があったのだ。
ここが普通の部屋なら、その位置に扉があっても何も驚かない。床に扉の一辺が触れているのは当たり前のことだし。でもこの部屋にはスライムがある。
だからその扉に行くには、このスライムの海を潜る必要がある。
「えぇ…まじでか…」
俺は真剣に悩んだ。
まず第一に、このスライム触って大丈夫なのかっ?もしかしたら体が溶けるかもだしさ…。
………………。
ええいっ!一か八か…!!
俺は勢い良く人差し指をスライムに突っ込む。
…………………
……………
………
何にも起らない。ただスライムの生温い感触だけが伝わってくるだけだった。
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