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「げほっ…げほっ…」
体中スライムまみれになりながら、四つん這いになって口の中に幾らか入ってしまったスライムを吐き出す。
――死ぬかと思った…
ゼェゼェと荒い息のまま後ろを振り返ると、思っていたよりスライムはドアの外には出てなくて、扉のところでスライムは止まっていた。
俺と共に流れ出た少量のスライムだけが床に広がっている。
四つん這いから体勢を直して、正座の崩れたような形で座り直してから、何となく手へと目をやる。薄い緑の液体が絡み付いていて、気持ち悪い。
ほら、太腿にだって―…
―――…え?太腿?
俺はペタペタと全身に手をやる。
…ない…ない…!!俺はちゃんと制服を着ていたはず…。
なのに何で…
全裸なんだよっ!!!
太腿から上へと辿っていった先には俺の息子の壱ジュニアが元気そうに笑っている。
「はぁい、元気かい?壱ジュニア!」
「あぁ、元気さ!いつだって僕はビンビンさっ!!」
もちろん壱ジュニアが答えたわけではない。ただ俺が少し高めの声で返事しただけ。いわゆる自問自答。
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