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――――――……
―――――…
―――……
そこで世界が暗転して、俺はガバッと勢いよく体を起こした。
「――っ、はぁ、はぁ…」
ツ、と汗が頬を伝うのを感じながら、ゆっくりと辺りを見回す。
見慣れたベッドに見慣れた部屋、ドアの前には目を見開き驚いた様子の我が弟。もちろん隣に瞬の姿はないし、俺だって全裸なんかじゃない。
「なんだ…夢、か…。」
よかった。
本当によかった。
ほぅ、と安堵の息をついてから、さっき視界の端に見えた弟へと目をやる。
…この子ったら何をそんなに驚いてんの?
俺は理由が分からず小首を傾げた。
「どした、そんなとこで。」
「…っ、どうしたじゃねぇよっ!いつまでたっても起きてこねぇから起こしに来てやったってのに急に大声出しやがって…、…ったく。だいたい兄貴はいつもいつも…」
あー、また始まった。
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