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ガタイの大きな中学生の意識が戻った時には、既に辺りは真っ暗になっていた。「お化け公園」に一つだけある外灯がぼんやりと不気味に辺りを照らし出す。
ゆっくりと立ち上がり、ふと前を見るとブランコの前に、赤い服を着た、長い黒髪の女が俯きながら一人でじっと立っている。大人の女が、こんな夜に不気味な公園で一人でいるのは、余りに不自然だ。
暗闇の中、外灯に照らし出された、女の顔をよく見ると、大きな白いマスクが見える。腰までありそうな黒髪が、顔の上半分を隠し、大きな白いマスクで、顔のほとんどが見えない。
途端に、ガタイの大きな中学生に悪寒がはしり、体が震えだした。
女は、中学生の方へ顔を向けると、ゆっくりと歩み寄る。ジャリ……ジャリ……と一歩一歩、距離を縮める女。
「私……キレイ……?」
ガタイの大きな中学生の耳には、確かにそう聞こえた。
弱弱しく、細い声が彼女をより不気味な者へと感じさせる。
「あ……はい……」と、不気味な程に感じる恐怖を押さえるかの様に、平静を装いながら答える中学生。
すると、赤い服の女は、ゆっくりと白く細い手で、マスクを外した。
中学生は、その女の衝撃的な姿を目の当たりにし、絶句し、凍り付く……
女の口は、耳の後ろの方まで裂け、涎(よだれ)にまみれた無数の鋭利な歯が、尋常じゃない程生えている。
全身の鳥肌が立ち、電気が走るかの感覚が襲う。
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