樹~side~

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するとたどり着いた病室の前でその子は二度ほど深呼吸をする。 そして、笑顔をつくってからドアを開けて中へ入って行った。 その光景がすごく目に焼き付いて離れなかった。 普通一人で見舞いにくるやつがそんなヘラヘラ笑ってたり悲しい顔をするやつは多くもないがあの子には表情が無いのだ。 あの笑顔は作り笑顔だ。 何故か俺には分かってしまった。 しかし俺はその日からなんだかんだで見かけたり話しかけるチャンスもなく退院していった。
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