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ここは教室。
もっと言えば俺と藤田のいる一組の教室。
要は咲山のいる二組ではない。
そして咲山はなにが楽しいのか、休み時間毎にここにやってきては俺と藤田の話を聞いていた。
理由は知らない。
というか今聞いている。
「だから、何でいんだよ」
「もー、うるさいなぁ……私がいたいからいるの。問題ある?」
「大有りだ、バカもん。無駄に注目が集まってんだろうが」
そう言って俺は周りを指差す。
ま、俺が差したら視線をずらしているが。
咲山は一般的には美少女に分類される。
見た目は去ることながら、頭が良くて運動もできる才色兼備。
異性からモテないわけがない。
よって、俺と藤田にとっちゃ針のむしろ。藤田のバカは気にしてないようだが。
「いんじゃん? 俺は咲山さんみたいに可愛い子が一緒だと飯が旨くて嬉しいし!」
あぁそうだった。
藤田はバカだったんだ。
女大好きだし、咲山は可愛いから喜ぶんだった。
「理由は? 俺みたいな奴は嫌いなんじゃねぇの?」
「まあね。確かに茶髪は嫌い。あと自分がちゃんとしてないのに人のこと好きだとか吐かす奴ー!」
あえて昨日の奴に聞こえるように叫んでいる。
なんつーか……いい性格してる。
よく言えるな。
まぁ俺も言うだろうが、女にとっちゃこういう奴って少なくとも好かれはしないよな。
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