うそつきハンス

《 ペルとリル 》

村長はふしぎなかおをしました

「それならどうしてリルは泣くんだ？」

ペルは泣きながらこたえました

「ウレシイからさ」

村長はもっとふしぎなかおをしました

「それならどうしてペルは泣くんだ？」

ペルはまた泣きながらこたえました

「リルがウレシイからさ」

村長は大きくうなずきました

「それならペルがおこってるのも？」

ペルは「あぁそうさ」のかおで、もういちどこたえました

「リルがウレシイからさ…」

村長はこまったかおで何だかウレシそうにいいました

「きみたちはとてもステキだ。ハンスもリルも、もちろんきみもだペル…」

そのときペルはおもいだしてさけびました

「あくまのうただ！」

ペルはおどろいたのにおどろいて泣きやんでいました

「ハンスのやつ【ぼくはステキなんかじゃないみたいなかおで】あくまの本をだしたんだ」

村長もいっしょにおどろきました

「そうさ！やっぱり村長の本をとったのはハンスだったんだ」

「ロット・ピピッチ・レルクル・ペンゼ…ロット・ピピッチ・レルクル・ペンゼ…」

ハンスはうたをうたいます

「ロット・ピピッチ・レルクル・ペンゼ…あくまよ、あくま…ぼくのねがいをききいれたまえ」