《 アレンとエリナ 》

3/3
前へ
/16ページ
次へ
エリナは雨にぬれた花のようにうつくしくほほえんでいました ハンスはアレンやロッソのようにしょうじきをいいました 「とうさんにはぼくがいる」 エリナは雨にぬれた花のようにかなしくほほえむとハンスをきゅっとだきしめました 「ハンスはおとこの子ね…」 「かあさん、どうしてカナシイかおをするの…?」 「さようなら…」 「どうして…?ぼくはしょうじきをいったのに」 「さようなら…もうひとりのわたし」  “ きっとやむだろうと     おもってたあめが     いつまでたっても    やもうとしないのは     かさもささずに    つったってるぼくを      ねぇかみさま     ぼくがあめふりが      すきなんだと      かんちがい     してるだろうか ” 「しょうじきはいけないこと?」 「やさしいはいけないこと?」 ペルはいつのまにかまた泣いていました 村長はしずかにこたえます 「ペルもハンスもまちがっちゃいないさ」 リルは花のようにほほえみました 「うそでもいいの。それがほんとのやさしいじゃなくても…」 いつか雨はやんでいました  
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加