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『おまえのねがい、ききいれた。ただし、けいやくにはだいしょうがひつようだ。ぜつぼうのだいしょうが』
ハンスはブルリとふるえました
「こわくない、こわくなんてないさ。ほんとうにこわいのは、ぼくがぼくをわすれることなんだ」
あくまはブスリといいました
『あんしんしな。いわなくてもわかっている。あわせてやるよ、おとうとに』
あくまはクスリとわらいます
『ただし、やくそくだ。おまえはこれからうそしかついちゃいけない。いいか、いちどもしょうじきをいっちゃいけないんだ。それがだいしょうってやつさ』
ハンスはゴクリといきをのみました
『やるかやらないか。おまえのこたえが、はじまりのあいずだ』
ハンスはちかいました
「かんたんさ。ぼくはもう、しょうじきをいわないときめたんだ」
ハンスはこたえました
「ロッソにあいたい」
そのときハンスはグラリとたおれ、そのひとみがかがやくことはにどとありませんでした
『けいやくせいりつだ。たったいま、おまえはおとうとにあいたいと【しょうじきをいった】』
『あわせてやるさ、どうせおまえは、おとうととおなじところへいくんだからな。そしておぼえておくといい。にんげんはこれを、いっせきにちょうというらしいぜ』
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