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悠は本当に真剣な面持ちで言った。
「悠……。ハハッ…わかってるよ。そんな表情しなくても、俺は一樹を裏切ったりはしないよ」
魁は苦笑しながら、そう言って俺を見た。
「…なんだ?」
「クスッ…安心しろよ。ちゃんと守ってやっからよ、お姫様」
「なっ……!?」
お姫様!?
誰がお姫様だ…!?
「魁、てめっ…!誰がお姫様だぁ!?」
「お前に決まってるだろ?一樹く……あ、お姫様だから“君”は駄目だよな…。な、一樹“姫”」
魁はそう言うと、バカにしたような笑みを俺に向けた。
「…魁!ふざけんなよ!?」
「ふざけてなんかないって」
「…ふざけてんだろ!つか、悠も笑ってんな!?」
俺は怒鳴りながら、魁の後ろで笑ってる悠を睨み付けた。
「くそ…むかつく」
まだ笑ってやがる。そりゃあ…女顔って言われたことは何回かあるけど……。
【さ~て、それでは今から学校鬼ごっこを始めたいと思います。皆さん、ご健闘を】
相も変わらずその緊張感のない声を合図に、学校鬼ごっこの幕が開いた。
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