470人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に…?なんでもないよ。ほら、早く逃げよう」
魁は明らかに何かを隠しているくせに、下手な嘘笑いをする。
「…あっそ」
俺はそれが気に入らなくて、ぶっきらぼうに呟いた。
「ホント、なんにもないからさ。な?そんな仏頂面すんなよ?」
魁は俺が気を悪くしたのを感じとったのか、ちょっと困ったような表情でそう言ってくる。
「…わかってるよ。別に気にしてなんかない」
俺はそう言って、魁に笑ってみせた。
すると魁は安心したのか、安堵の表情を見せた。
最初のコメントを投稿しよう!