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「マジか!?俺には細胞が存在してないのか!?」 バカだ。バカがいる。 「あっ、要!」 俺は悠を無視して、隣を過ぎていく同じくクラスメートの広島要に声をかけた。 「ん…なんだ?」 いつも無口な分、今日はどうやら気分が悪いらしく、纏うオーラみたいなものに少し気圧されてしまう。 ようするに、今日の要は少し怖いってことだ。 「…あっ…いや……。昨日借りたノートさもうちょい借りときたいんだけど…いいか?」 「…いいよ」 そう短く答えると、要は自分の席に戻り、何やら分厚い難しそうな本を読み始めた。
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