act.1

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キーンコーンカーンコーン… 「じゃあ…風見さん、私が呼んだら入って来てね!!」 「はい…。」 うー…緊張するよ… えー…っと…私っ… 風見 秋奈(カザミ アキナ)! お父さんの都合で、小さい頃から転校ばっかしてたけど…それも今回で最後!! “転勤家族卒業万歳!!” やったぁ!!… ずっと憧れだった…普通の生活に浮かれつつ、先生の合図を待っていると、教室から罵声が聞こえて来た… 「席付け、このクソガキ!! 昨日飲み過ぎて眠いんだから、私を怒らせんな!!」 さっきまでガヤガヤしていた教室が、水を差す様に静かになった。 先生…恐いなぁ… 「じゃあ…入ってきて!!」 緊張で喉がカラカラになり、絞り出す様に声を出した… 「はっ…はい! しっ…失礼します。」 あぅー…緊張で早口になっちゃうよぉ… それから、静かに目の前のドアを開け、緊張で今すぐにでも逃げ出したい気持ちを抑え、意を決して足を踏み入れた。 あぁ…皆見てる… 多分…物珍しさだろう… 皆、わずかな期待と好奇の眼差しで、無言で彼女を見つめていた。 .
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