愛しき人

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ホテルの部屋に着き、高耶はすぐにスーツを脱ぎ捨てた。 直江はすぐさま高耶の脱いだスーツをハンガーに掛けたのだった。 「明日はどこへ行きたいですか?最近調伏続きでしたからね。たまには息抜きしなくては」 「お前に任せるよ。俺は別にどこでもいいからな」 高耶は冷蔵庫から缶ビールを取り出した。 「あまり飲み過ぎないで下さいよ。二日酔いにでもなったらどこにも行けなくなりますからね」 「お前も飲めよ。直江」 「いえ、私は明日の予定を考えなくてはならないので」 直江はテーブルの上に観光スポットの本を広げていた。 高耶は後ろから直江に抱き着いた。 「俺の酒が飲めねえのかよ。直江」 「……少し飲み過ぎではないのですか。高耶さん」 よく見たら缶ビールの空が二本転がっていた。
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