迷子の理由

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悲しい………悲しい話をしよう。これはある道を見失った奴の話だ。というか、まごうことなく、完全無欠にオレの話なのだから、このような前フリなど何の意味を成さないのに、こうやって人生を消費していくと思うと泣けてくる。ヤバイ、ホントに泣けてきた。ああ、また悲しくなってきた。どうしよう、これ。ヤバイ、ヤバイ。ヤバヤバだ。話が逸れてしまったか つい先程、オレがディナーを食べるより前。友人宅から、夜道に一人、帰宅するときだ。結論から言うのもなんだが、迷ったんだ。そう、見知らぬ土地で夜中に一人で、だ。オレの体験した時間など、夜を知る者ならたいしたことないかも知れないが、完璧に夜の帳が落ちきった時間だったのだから、夜で構わないだろう。 その夜に迷ったんだ。いや、迷っただけなら、まだマシというものだが、オレは確認した。そう、友人に!帰り道を!わかるか!友人に説明させるという手間をかけさせたというのに、オレという方向音痴なクズ野郎のせいで、その友人の労力は水泡に帰した!これほど悲しい話があるか!
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