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俯いてた渡辺さんの顔が上がる。
「だから、ずっと渡辺さんと友達でいたいです」
「桜田くん…ありがとう…これからも、よろしくね」
友達として。
渡辺さんは目に涙を浮かべて、去っていった。
女の子泣かせたの…初めて…。
「…あ、鍵」
開けるの忘れてた!
僕は急いで会室に向かった。
「紗姫先輩!」
「あ、淳ちゃん」
会室の前で鞄を持って待っていたのは紗姫先輩だった。
先輩方の鞄が壁に寄せられてはいるけど、肝心の持ち主がいない。
「ごめんなさい!待ちましたか…?」
「うぅん。平気」
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