籠の中の鳥

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どのくらい時間が経っただろうか。 少女が中々食い下がらないので、あれからしばらくの間、マァサにお説教を食らう破目になった。 「もう…サイアク」 マァサの長い説教が終わるとすぐにベッドの中に潜り込み、少女はわんわんと声を上げて泣き始めた。 ─マァサの分からず屋! ─お父様もマァサも皆みんな大嫌い!居なくなればいいのに! 悪態をつくのも無理もない。 この少女は生まれてから1度も城の外はおろか、部屋の外からも出たことが無いのだ。 部屋の鍵は外側からかかっていて開けることは出来ない。 脱走を図ったこともあるが(マァサの鍵閉め忘れ)廊下に出ると、見張りの兵士が居てすぐに連れ戻されたのであった。
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