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「っひく…勉強何てしても意味無いのよ…どうせアタシはもうすぐ死んでしまうんだから」
ポタポタとヴィヴィアンの大きな瞳から大粒の涙が枕に染みをつける。
ヴィヴィアンは小さい頃に16歳まで生きられないと宣告されたのだ。
小さい頃から原因不明の発作が起きていた。
その発作は一定時間を過ぎるとすぐ治まるのだが、死ぬのであればこれが原因だろう、とヴィヴィアンは思っていた。
つい最近、ごく当たり前に15歳を迎えることが出来たのだが、計算すると、後1年以内には死んでしまうことになる。
─明日には死んでしまうかもしれない。
普段は余り考えない様にはしているが、本当は悲しくて恐くて、今にも暗闇の世界に引きずり込まれるかもしれないという恐怖に激しく不安に襲われた…。
「誰か、助けてよぉ…」
少女はしばらくの間枕に顔を埋めて泣いていたが、いつの間にか疲れて眠ってしまった。
鉄格子つきの窓から風が入り込み、少女の髪を優しく撫でた。
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