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深い深い霧のかかった世界。 涙なんて枯れ果て全ては無。 2度目のあの日、確かに私は「たすけて」と一人で呟いた。 今の私は本当に助かりたかったのかなんてわからない。 でも、欲しかった言葉を手に入れた。 全くの他人から。 「貴方の命は何よりも尊い。」 枯れたはずの涙が溢れ、霧が晴れていくのを感じた。 3度目が起こることはもうないだろう。 言葉を彼らが言ってくれる。 欲しいと思う前に…
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