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─獄寺隼人─
好きだ。
好きだ。
どんなに思っても
この想いは届かない。
好きなのに
それを伝えることが出来ない。
俺は男を好きになっちまったからだ。
もちろん俺も男だから
これは同性愛ってやつだ。
本人に知られれば引かれるだろう。
もしくは嫌われる。
山本武。
俺はこの想いを
お前に伝えることはないだろう。
そう。
「好き」
この言葉も想いも
いつか俺の中で死んでいく。
俺が死んだ時
お前の中から「俺」が少しずつ
消えていくように。
だから俺は
必ずお前よりも先に死ぬ。
こんな感情は残るべきじゃない。
いっそお前の記憶ごと
消え去ってしまいたい。
俺の中の
お前に対する感情が
表に現れないうちに─…。
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