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大地の後ろに、その声の主が立っている。
白石青空だ。
青空と書いて「そら」と読む。
「いいじゃんか…」
呟いた大地の言葉を遮るように、青空の小枝みたいな細い手が、大地の肩に置かれた。彼女の肌は白く、まるで透き通ってるようにも見えた。
「ダメだよ」
「だって、母ちゃんが朝ご飯作ってなかったんだから」
「確かに、大地のおばさんなら作らなさそうだけど……。それでもダメだよ」
「いいじゃんかー」
「ダメ!」
と大地の頬をつねる。
「いてっ、何すんだよ!」
大地が青空の手を振り払うと、彼女はいたずらっぽく、笑いかえした。
彼女もまた、この教室の生徒である。能力はサイコメトラー(接触感応能力者)。右目の色は白かった。
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