はじまり

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      4         大地の後ろに、その声の主が立っている。 白石青空だ。 青空と書いて「そら」と読む。 「いいじゃんか…」 呟いた大地の言葉を遮るように、青空の小枝みたいな細い手が、大地の肩に置かれた。彼女の肌は白く、まるで透き通ってるようにも見えた。 「ダメだよ」 「だって、母ちゃんが朝ご飯作ってなかったんだから」 「確かに、大地のおばさんなら作らなさそうだけど……。それでもダメだよ」 「いいじゃんかー」 「ダメ!」 と大地の頬をつねる。 「いてっ、何すんだよ!」 大地が青空の手を振り払うと、彼女はいたずらっぽく、笑いかえした。 彼女もまた、この教室の生徒である。能力はサイコメトラー(接触感応能力者)。右目の色は白かった。
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