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「俺? 俺は……まあ、剣を少しだけな」
一応、安物の剣を一振り持って来ている。
シーナとのエンゲージリンクで使う刀みたいなモノではなく、普通に両刃のブロードソードだ。
シーナ曰く、ちゃんと基礎から剣を練習していれば、エンゲージリンクして自分を振るったとしても、筋肉痛に悩まされる事は無いという事らしい。
だから、ユートは剣の練習をしていた。
「わたしは霊力が使えるよ」
「霊力……? ですか?」
シーナの言葉に、クリスが首を傾げてしまう。
理由は簡単。
ヴィオーレでは、精霊力と魔力は認識されているが、それ以外の……霊力や氣力などは認知外の力だった。
その為、シーナの力は基本的に魔力とされている。
しかし、シーナはちゃんと識っているのだ。
霊力は存在し、自身が振るっているのが【霊子】を操る力なのだと。
とはいえ、霊力で操る力も魔力で操る力も、やれる事は殆んど同じ。
ただ、力を顕現する手法やシーケンスは違うのだが。
「そうだね、一度見せてあげる」
シーナは霊子を集中する。
指先に集約された霊子は、シーナ自身のエレメントに影響を受けて、真空や火炎や水流などに変換された。
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