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「って、七曜属性が全部出てるぅ!?」
クリスは驚愕に叫んだ。
普通、エレメントというのは在っても一つから三つ。
余程の才能が在っても、四つ在れば良い方だと云われている。
七曜属性の全てを持っている者など、有史以来居なかった。
それなのに、シーナは七曜属性の全てを顕現させる事に成功している。
「あ、あり得ません!」
あんぐりと口を開け、惚けてしまっているクリス。
「フゥ……」
力を発散させたシーナは、薄らと汗を掻いていた。
「う……」
「? どうしたの、ユート」
シーナはまだ幼い容姿であるにも拘らず、何処か妖艶で大人っぽい雰囲気を醸し出す事がある。
現年齢は13歳だが、前世の記憶を持っているユートの心は、三十路過ぎの精神が残っており、ああいう姿を見る度にリビドーを刺激された。
しかし、アーメット村を出る前夜のシーナを見ると、下手に男の欲望というモノは見せない方がいいと感じている。
だから、ユートは冷や汗を掻きながら苦笑した。
「コホン。あのさ、シーナのアレってアーシァから貰った力なのか?」
クリスに聞かれない様に、こっそりと訊ねてみた。
「失敬な! アレは天然モノなんだから」
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