第2話:王都に向かって

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「え゙、マジ?」 シーナが腰に手を当てて、プリプリと膨れっ面になって怒る。 「でも、確か属性って最大でも三つか四つって……」 「この世界の理(ことわり)に縛られていればね? わたしは元の世界(地球)の理も使えるから。それに、わたしの霊能力は初めから全属性が使えたしね」 「詰まり、地球人としての記憶がシーナを世界の理の縛りから外している?」 シーナは肯定の意を、静かに首肯で示した。 「あの、どうしました?」 「あ、何でも無いよ」 シーナは訝しむクリスの質問に、両手を振って何でも無いと主張した。 其処からは特に何がある訳でもなく、旅は順調に進んでいる。 中継点となる村や街に入っては、食糧を補充して宿泊したら出る……これを繰り返していた。 王都【セイントリア】まで後少しの所まで来たユート達一行は、商都【オスアリア】に入る。 王都にも比較的近く、商都とまで呼ばれる街。 それだけにオスアリアには活気が満ち溢れていた。 しかし、どうも様子がおかしいと感じたシーナは、この街の神殿(勿論、石造りの神殿)に行き、情報を得る事にする。 神殿から戻って来たシーナの神妙な表情を見て、何かしら有ったのかとユートもクリスも顔を見合わせた。 .
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