第2話:王都に向かって

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「何かあったのか?」 「どうもね、街道沿いに盗賊が出始めたらしくて」 シーナは、ユートの問いに憂鬱そうに答える。 しかも出たのが王都側の街道で、可成の人数で暴れていると云う。 その為、ユート達が通った街道からオスアリアに入る事は出来ても、王都へと抜け出る事が出来ない。 事態としては、困った事になっていた。 「騎士団は何をしているんですか?」 「騎士団は間の悪い事に、天魔側の大陸に出兵中……って言うか多分、だからこそ盗賊が好き放題闊歩してるんだろうね」 「最悪だな……」 クリスの質問への答えは、確かに最悪な状況。 ユートは頭を抱える。 「っ! そうだ、俺達で倒すってのは?」 「無理だよ。よしんば出来たとしても、皆殺しにするしかない」 実力がある訳でもなく、人数も居ない状態では殺さない様にするのは難しい。 シーナとしては、オークの時みたいな虐殺を人間相手にして欲しくはなかった。 「アレ(戦姫の力)なら?」 クリスが居るからか、濁して言ったが、シーナは理解して首を横に振る。 「ダメ、確かに峰打ちに出来るけど、戦闘中に倒れたら拙い。リスクが高いよ」 オークの時よりも相手が多い為、途中で倒れる可能性がある。 .
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