第2話:王都に向かって

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「それじゃ、待っていて下さい。 何とかして来ますから」 クリスは階下へと降りていき、ポツンと2人は取り残された。 ユートもシーナも顔を互いに見合わせると、目をパチパチと瞬かせる。 「クリス、どうしたのかな?」 「いや、俺に聞かれても」 取り敢えず、黙って待っている事にした。 暫らく待っていると、再び部屋にクリスが戻ってきて言う。 「許可は取ったから、盗賊退治に行きましょう」 「「へ?」」 クリスの突拍子もない発言を聞いて、思わず間抜けた声を上げる。 クリスの瞳には、気負いも無ければ驕りも無い。 ただ、真っ直ぐにユート達を見据えていた。 3人は宿屋を出て、北の門を開けて貰う。 王都へと続く道と、山間道へと向かう道。 ユート達が向かうのは、盗賊共のアジトが存在するだろう山間道を抜けた先。 山の中腹の何処かに在る筈の洞窟だった。 本来なら山の幸豊かな山として重宝されていたが、最近になってその洞窟に盗賊が住み着く様になってしまう。 下手に山に入れば盗賊に襲われるだろうし、盗賊も山から降りて来ては旅行者や商人を襲っている。 その為、オスアリアの北門を閉ざしてしまうしか無かった。 .
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