第3話:装主として出来る事

2/26
3883人が本棚に入れています
本棚に追加
/288ページ
山を登るユート達一行。 「クリス、付いてこなくて良いのに……」 「一応、パーティのメンバーですし、同行しますよ」 「そうか? ま、良いけどね」 ユートも強く戻そうとはせずに、再び歩を進める。 山はなだらか斜面となっており、さして歩き難いと言う事も無い。 オマケに、そこら辺を見てみれば、食べられそうな草や木の実の成った樹が幾らでも有った。 「盗賊の所為で、これらもまともに摘めない訳か」 盗賊としては良いアジトといったところだろう。 王都から程よく離れている上に、商都が直ぐ傍に在るのだから襲いたい放題で、オマケに喰い詰めても食べ物がそこら中に在るのだ。 雨露を凌げる洞窟と云う名の家まで完備されているとなれば、正しく至れり尽くせりの環境なのだから。 「ある意味、スッゴい恵まれた環境じゃね?」 取り敢えず、盗賊なんてしなくても食うには困らないだろうし、そこらに生えている山菜や薬草を商都へ持って行って売れば、服なども買えるから働かなくても済みそうだ。 前世でこんな環境があったなら、会社になんて勤めなくても暮らせたのに…… 等と、社会不適合者さながらの思考に陥るユート。 .
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!