レッスン2 耐えろ! 命の重さ

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「それじゃあ、早速始めようかしら」 何事も無かったかの様に振る舞うあやめ先輩の右手を、僕はガッチリと掴んだ。 初めて握ったあやめ先輩の手はびっくりする程小さく、柔らかかった。この手でどうやって雅人をアイアンクローで悶絶させる事が出来るのか、不思議でしょうがない。 「レディ……」 いつの間にか復活した雅人が、僕とあやめ先輩の間に立ってレフリーをしてくれる。 「ゴーッ!!」 雅人の合図と同時に、渾身の力を込めてあやめ先輩の手を倒そうとした。 その瞬間、木が砕ける破壊音と同時に、僕とあやめ先輩の肘が乗っていた机が砕けて崩れてしまった。 「……あれ?」 「おいおいおいおい……」 間の抜けた僕の呟きに、雅人が呆れた様にツッコミを入れてきた。 どうやら、僕とあやめ先輩の力に耐え切れず、机が壊れてしまったみたいだった。 「えっと……」 予想外の展開に僕が呆然としていると、 「……プ、アハハハハッ」 突然あやめ先輩が笑い出した。 「驚いたよ竜也くん。君にこんな力があったんだね」 気が付くと、あやめ先輩は握りを変えて、僕と握手するみたいになった。 「それじゃあ、七月二十日……楽しみにしているよ」 あやめ先輩の言葉に、僕は天にも昇る気持ちになった。
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