41595人が本棚に入れています
本棚に追加
「……そりゃいないよな」
雅人の呟きは僕には聞こえなかった。
「それじゃあ、生徒会長の好きな男性のタイプはどんなですか?」
調子に乗ったそいつは質問を続けた。
……その質問もグッジョブ!
スーパー竜也君人形をあげたくなる。……そんなのは無いけど。
『私の好きなタイプですか? それは……』
内心ドキドキしながらも、耳をダンボにして生徒会長の言葉を聞き逃さない様にする。
勉強が出来る? スポーツが得意? 面白い人? 優しい奴? 意外と不良ぽいのが良いとか?
いろんなタイプを想像しながら、自分が近付けるタイプか祈ってみる。
『私より強い男性です!』
…………えぇぇぇぇ!?
予想外の返答に、きっと僕は顔文字みたいな顔になってしまっただろう。
「これが姉貴を諦めた方がいい理由」
呆れたみたいな雅人のため息の意味を、僕は本当の意味でまだ分かっていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!