プロローグ

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「……そりゃいないよな」 雅人の呟きは僕には聞こえなかった。 「それじゃあ、生徒会長の好きな男性のタイプはどんなですか?」 調子に乗ったそいつは質問を続けた。 ……その質問もグッジョブ! スーパー竜也君人形をあげたくなる。……そんなのは無いけど。 『私の好きなタイプですか? それは……』 内心ドキドキしながらも、耳をダンボにして生徒会長の言葉を聞き逃さない様にする。 勉強が出来る? スポーツが得意? 面白い人? 優しい奴? 意外と不良ぽいのが良いとか? いろんなタイプを想像しながら、自分が近付けるタイプか祈ってみる。 『私より強い男性です!』 …………えぇぇぇぇ!? 予想外の返答に、きっと僕は顔文字みたいな顔になってしまっただろう。 「これが姉貴を諦めた方がいい理由」 呆れたみたいな雅人のため息の意味を、僕は本当の意味でまだ分かっていなかった。
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