━悪魔の住む村━

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☆10 『沢松村』 ---------------------- 事件が起こった当時は、周りの村々から『悪魔の住む村』と呼ばれ恐れられた。 近づく者は誰一人居なかったが、『沢松村』はその昔、温泉が湧き出す大変豊かな村だったそうだ。 : : 戦国時代にここら一帯を治めていた『津軽為信』(つがるためのぶ)公がこの村を、戦で疲れた身体を休めるための湯治場としてよく訪れていた。 村人は『為信』様のために温泉を掘り続け、硫黄分たっぷりの良質な温泉が湧いたという。 …しかしその温泉も少しずつ渇れはじめ、ついには湯治場としての役目を終えてしまう。 それまでは『為信』公に目をかけられ裕福だった村人も、温泉が出なくなってしまっては山奥にあるただの小さな村でしかない。 その後村人達はこの村でひっそりと暮らすことになる。 : : : しかし、我慢して暮らしていた村人も、終わりのない貧困生活に耐えきれず、一人また一人と村を去っていったそうだ。 ☆12へ進んで下さい。 .
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