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☆12
『沢松村』…続き
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『沢松村』は青森の中でも特に雪深い村として有名な所。
わたしが子供の頃は300人程の村人が暮らし、確かに生活は豊かではなかったが、皆仲良く平和に暮らしていたんだよ。
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そんな村にある日、一人の男がやって来る。
その男は自らを『山法師』(やまぼうし)と名乗った。
40歳くらい、がっちりとした体格で長いあご髭をたくわえ、みるからに山の男といった風貌。
なんでも、その男が自ら崇める神の教えを広めに全国を巡っているということだった。
村長はそんな彼を温かく迎え入れ、空き家となっていた家に住まわせる。
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…しかし『山法師』が村に来てからというもの、農作業で留守にしていた村人の家が荒らされるなどの事件が多発した。
村人達は真っ先に『山法師』を疑い、問いただしたのだが、その『山法師』は知らぬ存ぜぬの繰り返し…。
村長に詰め寄って『山法師』を村から追い出してくれと進言するも、村長は彼を擁護(ようご)するばかりでまったく埒(らち)が明かない。
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おそらく村長は『山法師』の説法を毎日聞くたび、いつの間にやら信者になっていたのだろう。
☆15へ進んで下さい。
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