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☆17
テレパシーだと思った。
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わたしは信ちゃんが超能力者ではないかと思った。
盗聴器などの可能性は低い。
…恐らくわたしの想像を越えた力によって、信ちゃんはわたしの頭の考えを読みとったに違いない!それしか考えられなかった。
わたしは試しに、いま食べたい物を声を出さずに頭の中に思い浮かべてみた。
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「うん、私も食べたいな。カツカレー!!…でも歯が悪いから食べれるかなぁ。」
……すごいっ!!信ちゃんすごいっ!!すごい、すごいっ!!
『ハハハッ!それほどでもないさ。』
いまの信ちゃんの言葉は電話で答えたのではなかった。わたしの頭の中に響いたのだ。
まさしくテレパシー!
まさしく超能力者っ!!
いやぁ、おったまげた!!!
『源ちゃん、キミにだって超能力はあるんだ。』
『わっ、わたしにも超能力が?まさか…。』
携帯電話を持ったまま無言を続けるわたしを、バックミラー越しに見ていた運転手はキョトンとしている。
すでに言葉は発していなかった。テレパシーで、頭の中で会話を楽しんでいた。
…でもどうして超能力が使えるんだ?
いまのわたしはそんな単純な疑問すら忘れ、不思議な力に魅了されていた。
★21に進んで下さい。
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