━源太の日記━

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━源太の日記━

☆2 11月24日 天気(雪) 周りの村からは『悪魔の住む村』と言われていた。 ぼくはこの村が大嫌いだ。 早くこの村から出て行きたい。 母ちゃんと妹と一緒に…。 母ちゃんも妹も抜け殻みたいだ。 あいつが憎い!憎い!憎い!! : : 12月8日 天気(曇りのち雪) 役場の人が2人、家にやってきた。母ちゃんに、 「この村にはもう住めねぐなったよ。」 と言って紙を手渡す。 国がこの村を廃村にする決定をした。 住む場所や仕事は国が面倒をみてくれるみたい。 やったぁ!ぼくの願いは早く叶えられた。 友達なんかいらない!! 遠くへ…出来るだけ遠くに行きたい。 : : 3月2日 天気(晴れ) ぼくは母ちゃんと妹と一緒に宮城県にいた。 松島はとてもいいところ。 さわやかな潮風と松島のきれいな景色。 母ちゃんは漁港で働きだし、ぼくも学校が終わると母ちゃんの手伝いをするようになっていた。 父ちゃんがいない分、ぼくが母ちゃんを支えていかなくちゃ!! 母ちゃんも妹も、ほんの少しだけど明るくなった気がする。 : : : それから数年後、日本は戦争に敗れ終戦を迎えた。 その頃にはぼくが住んでいた村は地図上から完全に消えていた。 . ☆3へ進んで下さい。 .
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