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☆30
死のカウントダウン
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「う……う。」
運転手は痛みに顔をゆがめたまま言葉を発することもできずにいた。
男は一歩、また一歩と運転手に近づいていく。
男からは何か凄まじい力を感じる。そして邪悪な力を…。
あの二人も…超能力者なのか?
「『沢松村』へ行こうとする奴は、誰だろうと許さねぇ!!」
男がそう叫び終わるのと同時に、運転手の首が鈍い音と共に折れ曲がり、三回転ほどねじれて………
運転手は絶命した。
「次は……お前の番だ!!」
タクシーがギシギシと音をたてながら潰れていく!
「あわわわ!!」
わたしはとっさにガラスが割れた窓から外にはい出す!
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間一髪のところでわたしは潰れきったタクシーからの脱出に成功した。
持ってきたカバンはスクラップと化したタクシーの中。
…しかし、そんなことはどうでもよかった。あと数秒、判断が遅れていれば命はなかっただろう。
しかしまだ危機は去っていない!
「ハハハハッ!じいさん、年のわりに元気だなぁ!」
男は腹を抱えて笑いながら連れの女を見た。タクシーからはい出るわたしの姿が滑稽(こっけい)だったのだろう。
女は「やれやれ」という表情を見せ、男の代わりにわたしに近づいて来る。
まずい!
このままでは間違いなく殺される!!二人はとんでもない超能力の持ち主だ!
人など簡単に念力で殺してしまえるのだから…。
女も男以上の力を感じる!
!!!
「あっ、頭がッ!!」
突然、わたしの頭に割れんばかりの凄まじい激痛が走りどんどん締めつけられていく!
頭がぁ…つ、潰される!
『このままわたしも死ぬんだ』
……しかしその時!
「キキキィィ〰〰!!!」
爆音をたて一台のバイクが現れたかと思うと、タイヤのスキール音と共に猛スピードで女へ突っ込んでいく!
女は闘牛の『マタドール』のように、ヒラリとバイクの突進をかわしてみせた。
「キキィ〰ッ!!」
そのバイクが再び向きを変え、
今度はわたしに向かってスピードを上げはじめた!
!!!
☆35へ進んで下さい。
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