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☆31
『沢松村』の隠し金山…続き
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「金を一緒に探すなら信頼できる人、土地勘のある人がいい。そこで昔『沢松村』に住んでいた幼なじみの源ちゃんなら…と思ったんだ。」
なおも信ちゃんは話を続ける。
「私は探偵を雇い、源ちゃんの実家を探しだして電話してみると源ちゃんのお母さんが出てね。私が軽く事情を話すと、源ちゃんのお母さんは『心当たりがある』と言ったんだよ。」
「心当たり…?母がそう言ったのかい?」
「あぁ、なんでも…源ちゃんの住んでいた家の庭に埋めた物が金山に関係しているらしい。」
「あっ!!」
その言葉を聞いて、わたしは思い出したように母から預かった物をカバンから取り出した。
…それは地図であった。
「この地図はわたしの母が『沢松村』にいた頃に書いたものらしい。」
わたしは地図をテーブルに広げてみた。
「これを見て。うちの母から預かった地図なんだが、このΧ印の場所に、母が埋めた何かがあるようだ。わたしにはそれを掘り出してくれと言われて、数十年ぶりに青森まで来た。」
わたしは埋められた物が何であるかは母から知らされていない。
地図を描いた事だけはしっかり記憶していたが、何を埋めたのかまではよく覚えていないと言っていた。
母は信ちゃんからの金山話を聞いて思い出し、わたしに『沢松村』へ行ってくれと…。
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これから先、わたしは信ちゃんと行動を共にすることを決めた。
…まずは母が昔、庭に埋めたとされる×印の場所を見つけよう。
☆38へ進んで下さい。
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