━悪魔の住む村━

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☆32 頼もしい仲間 ---------------------- テーブル席に座っていた3人が 紹介の為に立ち上がる。 「源ちゃんから見て左から紹介しよう。まずは私の孫である健治、『小比類巻 健治』だ。」 紹介を受けると『健治』は軽く頭を下げた。 信ちゃんの孫で、今は大学4年生。大学では物理学を専攻しているらしい。 茶髪で耳にはピアス。サーフィンか何かをしているのだろうか…顔や腕が小麦色に焼けていてなかなかモテそうだ。 背は大きくて…185cm位はありそうだ。 「はじめまして。『健治』といいます。源太さんの話はじいちゃんから聞いています。」 「源ちゃん、『健治』はこう見えて頭はかなりいいんだ。今後いろいろ頼りになるはずだ。」 「そうか、よろしく頼むよ。」 そう言って『健治』と握手する。 これから彼の事を『健ちゃん』と呼ぼう。 : : …しかしわたしは今の状況をまだ把握していなかった……が、 とりあえず続けて紹介を受けた。 「そして真ん中の彼が『ハリス』。」 おっ…大きい!!健ちゃんも大きいが、西洋人の彼は更に大きく2mは軽く越えていて体格もかなりゴツい。 「彼はいま『三沢基地』で戦闘機のメカニックをしているんだ。」 なるほど…。米軍基地で働いているアメリカの人か。 「源太サン、コンニチハ!」 アクセントは若干違うが、それでも流暢な日本語だ。 ハリスは42歳。日本に来て、すでに18年は経つという。 「私はたまに彼を『ポパイ』と呼んでるよ、ハハハッ!」 確かにハリスの丸太のような両腕は全てのものを破壊してしまいそうだ。 「最後の紹介は、紅一点『宮本 輝羅々』(きらら)ちゃんだよ。」 「源さん、コンニチゎ~!」 見るからに若い彼女は私立の高校2年生らしい。髪の色は茶色というより金色に近く、まさしく今どきの女子高生『コギャル』そのものである。…時代も変わったものだ。 「どうぞよろしく…。」 : : 一通り紹介を終えたのだが、今の状況をまったく把握していないわたしには、これから何が起ころうとしているのか見当もつかなかった。 「信ちゃん…一体なにがあるんだい?」 一呼吸おいて信ちゃんが呟いた。 「……戦争さ。」 ☆36に進んで下さい。 .
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