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☆7
運転手が詳しく尋ねてきた…続き
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「住んでいたんです。小さい頃、沢松村に…。」
もう運転手に嘘はつけない。
「なるほど、そうでしたが…なるほど……。」
運転手はつぶやくように言った。
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しばし沈黙の後、運転手が再び口を開く。
「…実は私の母親も『沢松村』に住んでだんです。私がまだ生まれる前の話ですけどね。あの事件があってから、母はむつ市に引っ越しました。」
「……そうですか。」
「お客さんは、あの日の夜、あの村に居だんですよね?」
「……えぇ。」
「よがったらでいいんですが『沢松村』でなにが起ぎだのが教えでもらえませんが?」
急に大きな声になる運転手。明らかに興奮している…。
「私の母親は私を産んですぐに亡ぐなり、周りの大人も事件についてまったぐ教えでくれながっだもんで…。あの村でなにがあったのが知りたいんです!母の苦しみを私も知りたい。」
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そして再び沈黙が支配する。
運転手の母親も地図から消された村『沢松村』の出身者だったとは…。
そしてあの事件を間近で体験したのならば、わたし達と同じ苦しみや悲しみを味わい、悩み…そして亡くなったのか。
「…分かりました。運転手さんがそこまで言うのであれば……話しましょう。あの日、何があったのかを…。」
あの事件…わたしが小学生の頃、村で起こった恐ろしい事件。
地獄と化したあの日の夜について、わたしは語り出した。
☆10へ進んで下さい。
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