第一章「暗い思う出の場所へ」

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第一章「暗い思う出の場所へ」

小さな男の子と女の子が砂場で遊びながら話していた。 「ほら、もういくわよ」 女の子の母らしき女性がそういった。 「ばいばい!けーくん!約束だよ!」 「うん!わかったよ!」 けーくんと呼ばれた男の子は、そういって女の子が帰っていくのを手を振って見送っ ていた。 だが、50mほど離れたとき、親子の前にこの世のものとは思えない姿をした化け物が立ちふさがった。 影よりも黒い肌をしていて、目や口がどこにあるのかわからないような姿。どう考えてもこの世の生き物には見えなかった。 「クシシシシシシシ・・・・・久しぶりの人間だぁ・・・」 「に、逃げなさい!早く!」 母親がそう言った瞬間、その女性は化け物の一振りによって動かぬ肉塊と化し、化け物はそれを貪った。 「お、おかあさぁぁぁぁん!」 「ヒョヒョヒョヒョ・・・次はお前だぁ」 血なまぐさい息を吐きながら、化け物は近づいてくる。 だが、女の子は怯え、どうすることも出来ずにつかまってしまった。 「いやぁぁぁぁ!けーくん助けてー!」 女の子をつかまえると真っ赤な口でそのままバキバキと食い、満足したのかその場から一瞬にして消えた。 その様子を目の当たりにした男の子、「けーくん」は、死臭のする中何も出来ずにその場で立ち尽くすだけだった。 その後、大量に撒き散らされた血と肉を発見した人が警察に通報したが、ただの通り魔事件として片付けられた。 十五年が経ち・・・・
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