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「ええ!?女子寮!?なんでまた俺が!?」
啓次郎が電話に向かい、叫んでいた。
「でもばあちゃん、あそこって旅館じゃなかったっけ?」
『おぉ。儲からんから女子寮にしたんじゃ。わしももう長くはないからのぅ、それで世界旅行に出かけようとおもっとるんじゃ。だから啓次郎に管理人を任せるぞぃ。晴香にも伝えてあるから一週間後には向こうへいっとれ』
啓次郎に「ばあちゃん」と呼ばれた人物は、聞いてのとおり啓次郎の実の祖母、羽田さくらであった。さくら旅館を運営していたのだが、旅行へいくからさくら荘をまかせるといってきたのだった。
「で、でも、ばあちゃん。俺の仕事が何かわかってるだろ?そんな無茶な・・・」
ツーツーツー・・・
「あ゛ーもう!なんでウチの家系はいつもこう短気なんだ!」
といいつつも、その血をきっちり受け継いでいる啓次郎であった。
「あそこにはもう行きたくないんだけどなぁ・・・」
顔をゆがめる啓次郎。
「ったく・・・ばあちゃんはいつも・・・」
ブツブツと文句をいいながらもせっせと準備をしていた。
「おっと、晴香おばさんに挨拶しなくちゃ」
そう独り言をつぶやくと、啓次郎は和風茶房「桜」へと足を運んだ。
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