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ロッテ「ほんとに助けてくれてありがとうございます!僕ロッテって言います」
帰りの道中、ロッテからそう話しかけてきた。
「そうか…いい名だな」
ロッテ「そうですか?あっ、そういえば剣士様のお名前は?」
「…俺は」
少年剣士は足をピタッと止めた…。
「…わからないんだ」
ロッテ「えっ?」
ロッテは振り返った。
「俺には記憶がないんだ…だから、旅をしている」
ロッテ「あっ…ごめんなさい」
俯くロッテ─。
「気にしていない…そういうお前は何故一人でこんな危険な所に…?」
ロッテ「それは…」
ロッテの表情は暗くなり、
ロッテ「オークに…お父さんもお母さんも…殺されちゃって…」
「そう…だったのか…すまない」
ロッテ「そんな!剣士様が気にすることじゃ…」
「……」
ロッテ「……」
無言のままで、二人は先を急いだ─。
†
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