*・一緒・*

6/7
前へ
/16ページ
次へ
  私たちは専ら絵に向かう。 その必死に描いてる様を、キッチンから見ているお母さんは、『いつまで、こう一緒にやるってことしてんのかしら?』っと言いながら、また笑う。 ───PM 5:00過ぎ ドアの鍵の音が聞こえ、私たちは描いた絵を持ち、玄関に向かって一目散に走って行った。 『「お父さん、お帰りなさぁ~い!!」』 満面の笑みで、仕事から帰って来たお父さんを見る。 扉を開け、いきなり子どもたちが居るものだから、お父さんは少し驚いていたが、すぐ目線を私たちと同じくらいにしゃがみ込み、『ただいま』っと笑顔で言って、大きな手で頭を撫でてくれた。 『「お父さん見てぇ!!」』 何だと思い、お父さんは絵を良く見ていたら、微かに『お父さんありがとう』の文字が見えた。 『のんもゆうも、お父さん描いてくれたのか。お父さん嬉しいなぁ』 満面の笑みで頭を撫でてくれ、『ありがとう』っと言って絵を受け取ってくれた。 私たちにとって、それがどれだけ嬉しかったことか…。 決して、2人の中ではライバル心はなく、2人共、褒められたいがためにやっていたから、そんなことを考えてもいない。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加